睡眠とメンタルヘルスについて
睡眠はこころの健康を考える上でとても重要です。
しかし、日本人、特に働く世代の睡眠は、世界の中でも短く、不十分と言われています。
今回は、こころの健康を保つ為の、良い睡眠について考えていきましょう。
睡眠とこころの健康
不眠や睡眠不足などの睡眠に関する問題と、メンタル不調には密接な関係があります。
睡眠に関する問題が続けば、ストレスを感じやすくなり、メンタル不調のリスクも高まります。では、良い睡眠をとるにはどうすれば良いのでしょうか。
良い睡眠とは?
良い睡眠とは、「量」「リズム」「質」の3つの視点で考えていく必要があります。
1. 量「睡眠不足を防ぐ」
理想的な睡眠時間とはどれくらいでしょうか?
日本人の平均は、25歳で7時間、45歳で6.5時間と言われています。
理想的にはそれくらい眠りたいところですが、忙しい毎日では難しい日もあるでしょう。
まずは「平日だけでも6時間以上眠る」ことを目指していきましょう。
睡眠を6時間以上取ると、日中の眠気と疲労感が改善し、ストレスを感じにくくなり、うつ状態に至るリスクを減らすことができます。また風邪にもかかりにくくなります。
昼休みに15分程度の短時間の仮眠をとると、午後の眠気が改善します。
30分を超えて仮眠してしまうと、深い睡眠から目覚めるため、仮眠後に一時的に頭がぼーっとしたり、体がだるくなることがあります。この現象を「睡眠慣性」といいます。
短時間の仮眠前に、コーヒーや緑茶などのカフェイン飲料を飲んでおくと、仮眠から目覚める頃に、カフェインの刺激も現れ、より効果的です。
2.リズム「社会的時差ボケを防ぐ」
睡眠は、体内時計という仕組みにコントロールされています。
体内時計がずれたために、不眠や眠気が起こる状態を「社会的時差ボケ」と言います。
体内時計の時間は、光と食事という外部要因によって、整ったりずれたりします。
朝の光と食事は体内時計を整えますが、夜遅い時間の光と食事は体内時計をずらしてしまいます。
朝は一定の時刻に起きて、しっかりと朝食を摂りましょう。忙しいときは、バランス栄養食やゼリーだけでも摂れば、体内時計を整えることができます。
また、午前中に窓際やベランダで日光を浴びることも効果的です。
日頃から夕食時間は遅くならないようにしましょう。どうしても夕食が遅くなりそうなときは、分食が効果的です。
分食とは、遅い時間にまとめて食べていた夕食の一部を早めの夕方に食べておくことです。
早めの夕方に、おにぎりやパンなどの少量の炭水化物を摂っておき、帰宅後は肉・魚などのたんぱく質と野菜だけ食べるなどです。分食は、太りにくくなるだけでなく、体内時計がくずれにくくなります、
夜遅くにスマートフォンやパソコンのディスプレイを見るのは避けましょう。
これらから発光されるブルーライトは、体内時計をずらし、寝つきを悪くします。
少なくとも就寝の90分前には見るのを止めましょう。
3.質「生活習慣を整える」
適度な運動で、深く、長く眠れるようになります。
20~30分のウォーキングを週2~3回行うだけでも効果があります。
また、夕方以降のカフェイン摂取は避けましょう。
寝酒は寝つきをよくしますが、眠りを浅くして、早く目が覚めるようになります。
適量にして休肝日を作って、節度のある飲み方を心がけましょう。
寝室が明るいと眠りの質が悪くなります。3ルクス以下(月明り程度)にしましょう。
また、温度や湿度は、季節に応じて心地よいと感じられる程度にしましょう。
騒音などが気になるときは、耳栓が効果的です。
こころの健康を守るために、今一度、睡眠について見直していきましょう。
参考:厚生労働省(こころの耳)