双極性障害(躁うつ病)
双極性障害(双極性感情障害・躁うつ病)は、「うつ状態」と「躁(軽躁)状態」が波のようにくり返し現れる気分障害です。気分や活動性の大きな変動により、生活や仕事、人間関係に影響を及ぼすことがあります。
双極性障害とは
双極性障害では、気分が深く落ち込む「うつ状態」と、気分や行動が高ぶる「躁状態」または「軽躁状態」が周期的に現れます。国際的な診断基準では、双極Ⅰ型障害、双極Ⅱ型障害などに分類されます。
うつ病と比べると患者数は多くありませんが、気分の波が大きいため、生活や社会機能への影響が大きい点が特徴です。軽躁期が「調子が良い時期」と捉えられて見過ごされ、結果としてうつ病として治療され続けるケースもあります。
主なタイプ
双極Ⅰ型障害は、少なくとも1回の明確な躁状態を経験するタイプです。活動性の亢進や衝動的な行動が目立つことがあり、状況によっては対人関係や仕事・金銭面のトラブルにつながることもあります。
双極Ⅱ型障害は、軽躁状態とうつ状態をくり返すタイプです。軽躁期は周囲からは元気に見える一方で、うつ期との落差が大きく、ご本人のつらさが続くことがあります。
このほか、診断基準にぴったり当てはまらないものの、気分の波をくり返す「双極スペクトラム」と考えられる状態もあります。
主な症状
双極性障害の症状は、躁(軽躁)状態とうつ状態で異なります。代表的には次のような変化がみられることがあります。
- 睡眠時間が短くても疲れにくく、活動的になる(躁・軽躁)
- 気分が高ぶり、話が止まらない/考えが次々に浮かぶ(躁・軽躁)
- 自信過剰になり、衝動的な買い物や行動が増える(躁・軽躁)
- 気分の落ち込み、興味や喜びの低下が続く(うつ)
- 強い疲労感、集中力低下、イライラ、不安が強くなる(うつ)
- 不眠または過眠、食欲の変化など体のリズムが崩れる(うつ)
これらの状態が「一定期間をおいて繰り返される」ことが、双極性障害の大きな特徴です。波の出方は人それぞれで、生活リズムの乱れやストレスで悪化することもあります。
原因・背景
双極性障害の原因は一つに特定されていませんが、遺伝的な要因、脳内物質や神経回路の働き、生体リズムの乱れ、強いストレスなどが複雑に関与していると考えられています。
特に睡眠や生活リズムの乱れは、症状の出現や再発のきっかけになりやすいとされており、日々のコンディション管理が治療の大切な柱になります。
治療について
治療は、状態の波を安定させ、再発を予防しながら生活の質を保つことを目標に進めます。症状の強さや生活への影響に応じて組み合わせて行います。
薬物療法
治療の基本は、気分安定薬や非定型抗精神病薬などを中心とした薬物療法です。状態により処方内容は異なり、医師と相談しながら調整します。
心理教育・再発予防
「波が出やすいサイン」や「生活リズムが崩れたときの対処」などを整理し、再発を予防するための工夫を身につけていきます。ご家族の理解やサポートが役立つこともあります。
生活リズムの調整
睡眠の安定、過労の回避、ストレスの調整などは治療の重要な土台です。無理なく続けられる形で、日常の整え方も一緒に検討します。
双極性障害では、自己判断で治療を中断すると再発リスクが高まることがあるため、医師と相談しながら継続的に治療を行うことが大切です。
受診・相談の目安
気分の落ち込みと高揚を繰り返している、うつ病として治療を受けているが波が大きい、眠らなくても元気な時期があるといった場合には、双極性障害の可能性も含めて相談することが大切です。
一人で抱え込まず、早めに専門家へご相談ください。
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